しかしその後、時代の波に翻弄され、関東大震災で店が全壊し、再建を図って再び活気を取り戻したものの、やがて戦争が始まり、長い間、お菓子が作れない時代が続きました。苦難の時代を乗り越え、戦後の高度成長期と共に、鎌倉も観光地としてにぎわいを取り戻します。
誕生から120年以上たち、おかげさまで「鳩サブレー」は多くの方に愛されるお菓子となり、鎌倉といえば「鳩サブレー」と言われるようになりました。しかし、手前どもはこれを「完成品」とは思っていません。初代が生み出した「ワリ」は守り、より美味しい「鳩サブレー」を作り続けること、それこそが豊島屋の、そして菓子屋のあるべき姿だと思っております。